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「ポスト・トゥルース」時代における「極化」の実態  ― 倫理的議論と教育・ジャーナリズム ―

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発行:2021年3月

極化現象というのは意見が賛否に分かれる議題を集団で議論していると、両極端な意見へと集約されていく現象である。客観的な分析から望ましい議論を構築するには何が必要か。ポスト・トゥルース時代の議論を実証研究と文献研究から多角的に検討する。

●目次
第1章 正しい罵り合い ─ 「正しい議論の仕方」からの類推
 1.1 はじめに
 1.2 ユニコーンモデルからの検討
   〔1〕ユニコーン
   〔2〕正しい戦争
   〔3〕正しい罵り合い
 1.3 「正しい議論の仕方」の類型
   〔1〕ソフトな対話(フリーディスカッション)
   〔2〕ハードな対話(論点についての討議)
   〔3〕講演・演説
   〔4〕ディベート
 1.4 「正しい議論の仕方」に共通するないし類似する特徴は何か?
 1.5 「正しい罵り合い」
 1.6 おわりに

第2章 SNSの極化 ─ 平昌五輪の韓国産いちご問題を事例としたTwitterにおける実証研究
 2.1 日本における韓国への感情
 2.2 極化現象モデルとネットレベルの極化
 2.3 極化現象と「共鳴室」現象
 2.4 エコーチャンバーと選択的接触
 2.5 メディア極化メカニズムの再構築
 2.6 韓国産いちご問題の解明 ─ ダイアロジカルネットワーク分析を用いて
 2.7 Twitter上の韓国産いちご問題に関する極化
   〔1〕抽出されたインフルエンサーの概要
   〔2〕日常的な共鳴空間
   〔3〕共鳴空間の転換期
   〔4〕農林水産省声明後の共鳴空間の補強
   〔5〕共鳴空間の再転換
 2.8 韓国産いちご問題からみる極化現象
   〔1〕韓国産いちご問題を事例とした極化のメカニズムに関して
   〔2〕韓国産いちご問題を議論していたのは、どのような集団だったのか?

第3章 「極化」・感情・熟議
 3.1 はじめに
 3.2 Webメディアによる「極化」
   〔1〕「ハイブリッド・メディア・システム」と「ニュース性」
   〔2〕「感情」概念の導入:社会心理学的接近
 3.3 「極化」と議論(「熟議」)
   〔1〕感情と熟議
   〔2〕「熟議」政治(deliberation politics/democracy)研究の現在
 3.4 おわりに

第4章 望ましい議論に向けて ─ ジャーナリストがすべきこと
 4.1 はじめに
 4.2 「真実を述べること」と「信頼をえること」
 4.3 ジャーナリズムの定義
 4.4 ナショナリスティック・アプローチ
 4.5 リバタリアン・アプローチ
 4.6 リベラル・アプローチ
 4.7 コミュニタリアン・アプローチ
 4.8 インターネットの登場による状況の変化
 4.9 おわりに

第5章 望ましい議論に向けて ─ 教育ですべきこと
 5.1 はじめに ─ モラル過剰の時代
   〔1〕正義を振りかざす時代
   〔2〕モラル・パニック
   〔3〕他者不在の思考 ─ 正しさの根拠をめぐる問いの忘却
 5.2 正しい罵り合い? ─ ラップ的思考を通した相互理解の試み
   〔1〕文句ある奴らは会いに来い
   〔2〕ラップ的思考の力 ─ 喜怒哀楽を源泉とする思考
 5.3 対話による世界の創造 ─ 対話的思考と他者への応答
   〔1〕対話的思考と対話的教育
   〔2〕被抑圧者の教育学 ─ 抑圧された者の解放としての教育
 5.4 むすびにかえて ─ 望ましい議論を「望ましい議論」にする態度
   〔1〕他者の存在に対する責任 ─ 応答責任と説明責任
   〔2〕結局、「望ましい議論」に向かうとはどういうことか?
 5.5 補遺
   〔1〕メディアリテラシー ─ 教育という処方箋
   〔2〕私たちの思考のクセを自覚する
   〔3〕メディアリテラシー教育
   〔4〕望ましい議論に向けた技術のトレーニング

編著:塚本 晴二朗 / 上村 崇
著:眞嶋俊造 / 茨木正治 / 山田尚武 / 本多祥大 / 鯉淵拓也

発行元:印刷学会出版部
四六判 128ページ

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